高山英明ブログ8「常連さんの心をわしづかみ!」
BARの修業が始まりました。
酒屋の配達が終わると、
そのまま、BARに行きます。
白いワイシャツを着て、
黒いベスト、チョーネクタイを着けて、カウンターに立ちます。
修業している人は、私の他にもいました。
「よーし、やるぞ!」
私は、燃えていました。
みんな、シェイカーに氷と水を入れて、ひたすら振ります。
そして、リキュールやスピリッツを計らなくても、感覚でレシピ通りに入れられるように練習します。
一週間立ち、二週間立ち、
それでもひたすら練習、練習です。
いつになっても、先に進まないので、
ある日、マスターに直訴します。
「マスター、私はBARを出店したいのです。カクテルを教えてください。」
マスターは、笑って、私にジンを買えといいます。
酒屋で950円のバーネットジンを
2500円で買いました。
このジンで作るカクテルは、半額の350円で出せるのです。
つまり、自分の友達に350円でカクテルを作り、修業をしろということです。
早速、友達を呼んでカクテルを作ります。
友達は、たくさん来てくれました。
たくさん作り、友達は、たくさん飲んでくれるのですが、
はたして、そのカクテルが美味しいのか、不味いのがわかりません。
やはり、カクテルの味がわかる常連さんに飲んでもらわないといけません。
私は、常連さんに言います。
「私は、ここで修業をして、近い将来BARを出店します。私を鍛えてください!」
常連さんは、
「よし、作ってみろ。」
私が作ると、
一口飲んで、
「不味い。ダメだな。」
そして、マスターに同じのを作ってもらいます。
「美味い。やっぱりマスターのは、違うよ。」
「ありがとうございます。また明日来てください。練習して美味しいカクテルを出します!」
私は、必勝パターンを手に入れました😆
どういうことかと言いますと、
私が作る。
常連さんが飲む。
不味い。
マスターが作る。
美味しい。
常連さんは、私を鍛えるという使命感を持ち、
売上も増えて、
マスターは、機嫌が良くなり、私に技術を教えて、
私はカクテルの技術を学べるという、必勝パターンです。
気がついたら、カウンターの私の前には、たくさんの常連さんが座ってくれました。
みんなが私を鍛えることに生きがいを感じてくれています。
私も常連さんたちが喜ぶような話をします。
「これならいける!」
みんなが私の将来のBARを楽しみにしてくれました。
私は、自分でBARを出店する自信を身につけるのです。
しかしながら、まだ課題があります。
お金がないのです。
酒屋も並行してやっていかなくてはいけませんので、
自宅兼酒屋の脇に建てるとなったら、最低でも1000万円くらいかかります。
しかしながら、私はBARを出店すると言い続けました。
その結果、奇跡が起きます。
高山英明ブログ9につづく・・