高山英明ブログ11「BAR物語最終回」

前回からの続きです。

いよいよ最終回です😆

「BARCORNER高山」

いよいよオープンです!

周りからは大反対でした。

「こんな田舎で流行るわけがない。」

「誰がカクテルなんか飲むんだ」

しかし、私には自信がありました。

確信がありました。

修業したBARで掴んだ接客力。

今までの人間関係。

自分の29年間の人生がこのBARに詰まっていると思いました。

私が考えるに、

お店を出したからってお客様が来てくれるかはわかりません。

しかし、お店とは、

今までの信頼の積み重ねの結果だと考えれば、

お店の結果は、自分の人生の結果だと考えます。

20席のカウンターが埋まるのは、自分のやってきた人生からすれば必ず埋まると考えたのです。

オープンの日。

料理担当の智弘と一緒に2人でカウンターの中に立ち、待ち構えます。

とんでもないことが起こりました。

次から次へとお客様が来ます。

20席のカウンターはすぐに埋まり、立ち飲みが出来ます。

当然、カクテルを作っている余裕なんかありません。

料理もぜんぜん出せず、飲食店の洗礼を受けます。

挨拶をしたいのですが、オーダーがたくさん入りすぎて、それどころじゃありません。

途中で開き直り、

お客様に正直に話しました。

「みなさん、今日はありがとうございます。」

「繁盛しすぎて、回りません。」

「カクテルは今日は無しにします。」

「料理もこちらで決めます。」

「すみません。今日は許してください。」

お客様は、みなさん快く受けてくれました。

「まだまだ素人ですが、これからも一生懸命頑張りますので、明日もよろしくお願いします。」

そこからペースをつかみ、回せるようになりました。

そして何よりも感動したのは、お客様の反応でした。

当たり前かも知れませんが、

お客様が「マスターありがとう」と言ってくれたのです。

酒屋では、なかなかありがとうと言ってもらえませんでした。

「安くしろ」「早くもってこい」

BARでは、楽しい時間を共有できてお金をいただけます。その上ありがとうと言ってもらえる。

この素晴らしい商売を将来は事業にしよう!

こうして私の飲食事業のエピソードゼロは終わります。

その後、BAR CORNER高山は、

大繁盛します。

毎日、毎日満席で立ち飲みまでできます。

すごく幸せな時間でした。

しかしながら、その時間は永遠には続きませんでした。

私は、BARの現場の他に酒屋でも最前線だったのです。

朝、6時半に起床して、店の前の自動販売機を雑巾で拭きます。

それから配達者にビールを積み込み、大きな宴会場に配達に行きます。

ビールを一本一本吹いて、ラベルを前にして冷蔵庫に詰めます。

それから酒屋の一日が始まります。

夜の7時にアルバイトさんと交代して、私はチョーネクタイをしてBARに入ります。

営業時間は12時までですが、なんせBARです。

12時で終わらないのです。

私とゆっくり話すには、12時からの方が話せます。自然と終わる時間は遅くなります。

だいたい夜中の2時とか3時になります。それから伝票を整理して、お金を数えると寝るのが4時くらいになります。

そして6時半に起きて自動販売機を雑巾で拭くのです。

結局、私は5年間この生活をやりました。

ある時、笑えない自分に気づき、このままではダメだ。一生続けられない。

しかし、この素晴らしい飲食店を事業にしなければいけない!

そうやって居酒屋の展開を考えます。

居酒屋のストーリーは、また後日にしましょう。

その飲食事業も18年やって手放しました。

今、その飲食事業を手放しても、

BARをひとつ残しました。

それは、やはり私がBARを好きだということです。

当時のBARCORNER高山のスピリッツが残っているのです。

千葉市中央区にある、

夢を叶えるバーコットンクラブ。

中小企業の経営者の憩いの場所でありたい。

そう思って営業しています。

あと、私が今メインでやっている一般社団法人サードファミリーの事務所も兼ねています。

今回で5話まで続いたBARストーリーはいかがだったでしょうか?

もっともっと書きたいことはたくさんあります。

それも後日に・・・